カンフーモンキーの三流ゲームプランナー

ゲームプランナーとは


■カンフーモンキーです。
 昔公開してたものを再編してお届けします。『就職活動頁』


■採用までの流れ
 私は色々な事情があり、ゲーム会社への就職活動をたくさん経験しています。
 それに採用担当者として履歴書での選定、面接での面接官も担当したことが
 あります。
 プランナーとして就職、もしくは転職される方に読んで貰えればと思います。

 さて、採用までの流れとしては、だいたい以下のような流れではないでしょうか。

 ■採用までの流れ
 1)履歴書と企画書(自己PRや志望動機なども)
  ↓
 2)面接(1次、2次とある場合もある) +採用試験なども
  ↓
 3)内定
  ↓
 4)来社(待遇や出社日を確認、契約するため)

 ※新卒はまた違うんでしょうね。わし新卒はしらん。


 それぞれのステップで選考があり、不採用なら作品などが郵送で送られ、
 採用なら電話で次のステップへと進む連絡が入ります。
 選考には1〜2週間かかるのが相場で、会社によっては3〜4週間かかる
 こともあります。
 面接などで来社するのは、電話連絡から1〜2週間の間。
 全ステップを考え、採用までの日にちを考えると、早くて1ヶ月、
 遅くて3ヶ月かかることもあります。
 転職する方は特に注意しなければいけませんね。

 会社によっては、「詳しくは担当までお電話ください」というようなものが
 あり、その電話での態度、対応も審査の対象になる場合もあります。
 ちゃんと電話かけられますか?
 電話のかけかたを何かで勉強してからのほうがいいかもしれませんよ。
 そこは自己アピールできる場所でもあったりします。


■選考基準かもしれないポイント

 それでは、1つ1つ細かくチェックしていきましょう。
 これは私の思う”選考基準かもしれないポイント”なので、正解かどうかは
 わかりません。ちなみに、全般的に「これが正解だ!」というような書き方は
 しないし、そう思ってもらっても困ります。あくまで私が経験してきた中での
 推測にすぎないので、その点を間違わないようにお願いします。

 ■履歴書
 学歴はあまり関係ないと思います。仕事への情熱、なぜその会社を選んだのか、
 個性が明確に書かれていると良いです。
 書面の書き方、文字の丁寧さなどで仕事の能力を疑われる場合もあります。
 あと重要なのが「会ってみたい」と思わせなければダメ。
 同じような履歴書が何通も届くわけだし、面接に呼ぶのは何人かなので、
 いかに他人と違う、会ってみたくなる履歴書を書くかがポイントになると思います。

 何かを書く欄があるのに空白とかは最悪。アピールしない=入社する気が
 ないと見なされるし、入社したい気があっても、そこに何か書けない個性じゃ、
 いらないかも。

 ■企画書
 この企画書でゲームを作ろうなんて誰も思っていないし、企画の内容を期待
 している採用担当者はいない。 なにを見るか。それは書面の作り方。
 いかにわかりやすく、読みやすく、魅力的にまとめられているか。
 それを見て、仕事っぷり、ゲームへの情熱などを判断する事になる。

 3行以上にわたる文章、ストーリーは読まれない。
 いまだにストーリーを延々と何枚にもわたって書いてくる人がいるが、
 その時点でアウトだと思っても良いぐらい。
 ストーリーはシナリオライターさんが書くものであって、プランナーは
 お話を書かない。
 シナリオライターとして応募してきたものなら、読むかもしれないけど。

 ■自己PR文
 どういう仕事ができるのか、どういう性格なのか。
 会社にとってそれはどうメリットになるのか。
 私は、「なんでも平均以上にこなせます」より、「これは誰にも負けない
 1つの才能がある」のほうが、能力を測りやすいし、会ってみたくはなる。

 どれも面接に呼んでもらえない時点でアウトなので、いかに会ってみたい
 気持ちにさせるかがポイントになると思う。たとえ履歴書や企画書が
 へぼくても、面白そうな人なら面接に呼ぶわけだし。


 ■面接
 企画はプログラマーやデザイナー、プロデューサーともやりとりを頻繁に
 しなければならないので対人能力というか、普通以上に人とおはなしする
 ことができるか。が重要なポイントになります。
 それに面接は、「おまえはどういう奴なのか?」を見る、見たい場面なので、
 自己アピールしまくってください。

 スムーズに会話できます!こんなにゲームに情熱を持っています!
 作る事が好きです!ゲームだけではなくこんな趣味も持っています!
 なんてことをアピールして、好感度を「ときメモ」のように上げていきましょう。
 ここでは、将来のビジョンを聞かれることも多いですね。


 ■採用試験
 国語、英語、数学の問題が出たりします。
 発想問題(鉄球が頭めがけて落ちてきています。とうふ一丁でなんとか
 しなさい)とか、思考問題(これと同じもの図を、5つの中から選べ)といった
 ものが出たりする会社も。
 がんばって勉強するか、あきらめて素の自分をさらけだしましょう。


 ・・・。どうでしたか。私の個人的な考えでしたが。最後に1つ重要なものが・・・。それは、

 ■縁
 会社の採用したい時期、プロジェクトの時期、会社の経営状況なども
 採用する条件になります。
 こればっかりはどうする事もできず、その会社との縁があるかないかに
 かかってきます。
 採用されなかった時にはこれを利用して、「もっと他の会社と縁があるに
 違いない、だから採用されなかったんだ」ぐらいのポジティブさで行きましょう。


 プランナーを目指されている方に何か得てもらえれば良いのですが。
 自分で足りないと思う能力は、勉強し磨けばなんとかなるものです。
 履歴書を送った時点から、企画としての能力が問われていますよ。
 がんばりましょう。


■面接でよく聞かれること

 面接でよく聞かれる事として、「なにをやりたいのか、どうなりたいのか」と
 聞かれることが多かったです。
 「なんでもやります」とか、「プロデューサーになってゲームを作ってみたいです」
 みたいなんだと、漠然としているし、みなが同じ事を言うので、面接官の心には
 残りません。

 具体的な内容で、こうしたい、こうなりたい。というものを伝えなくては、
 自分の個性も伝わらないし、面接官の心にも響かないと思います。
 私も具体的な内容で、こうしたい、こうなりたいというものがあり、それを
 伝えるようにしていました。

 例えば「RPGの戦闘システムに携わって、世界一面白い戦闘システムを
 完成させてみたい」というような物でしょうか?何が好きで、何を極めたいのか、
 それを伝えればいいのではないでしょうか?
 もとより心に無いなら論外ですが。

 他にも、この会社を志望した理由、自己PR、好きなゲーム(具体的にどこが
 好きか)、提出した企画書について、履歴書に書かれた特技など、前もって
 どんな質問がくるかを予想しておくのがいいかもしれません。


■緊張する面接対策。

 面接ってどうしても緊張してしまいますよね。私も最初はそうでした。
 でも私は何度も転職し面接を受けているし、面接官をしたこともあるので
 何か対策を書ければと思います。

 まず「自分の言葉でしゃべろう」という事です。
 面接のよくある質問に対して、丸暗記の文章をレコーダーのように発音しても
 それは言葉ではありません。 面接官の心には響きません。

 面接では、自分の言葉としてしゃべることが重要です。
 それは言葉の使い方が不細工でも、流ちょうに流れなくてもいいのです。
 自分の気持ちや考えを、自分の言葉として今しゃべるのです。

 それにはどうしたら良いのか。

 丸暗記しない事です。
 単語程度で答えを用意しておきましょう。
 そうすることで、喋るときにその場で言葉を作りながらしゃべらなくてはいけなくなり
 それがリアルな言葉として伝わる口から出てきます。

  例)
  自分の長所 → 人と上手につきあえる
  なぜその会社に入りたいのか →  自分の作りたいものが作れそう
  入って何がしたい → 新しいゲームシステムを考えたい

 自分の素直な気持ちだし短いワードだから覚えやすい。
 それをしゃべる。ただそれだけ。
 棒読みでなく、流ちょうでもかっこよくもない言葉だけど、気持ちから出てくる
 リアルな言葉なので心に響く。

 それだけでもずいぶん違うと思います。
 やりたい事や長所なんてそう違うものでは無いし。
 「なんかさっきの子、ちゃんと自分の言葉でしゃべってたなぁ」という印象を
 与えられればベストなのかも。


■就職用企画書の注意点。

 企画書はどういう風にすれば良く見えるか。ちなみに私のアドバイスなので
 参考程度にしてください。

 ■枚数
  少なければ少ないほど良いのかも。まぁ平均5〜10枚。
  10枚以上だと、「まとめるのが下手」と思われてしまったり。
  伝えることが伝えられるなら1枚でもかまわないと思います。
  絵とか企画の流れで考えると5〜10枚かなぁと思います。
  見る方も、あっさりしすぎず、読み疲れずぐらいが良いかと。

 ■絵だ!図だ!
  絵とか図とかいっぱい入れると良い。
  文章ばかりの企画書だと、まず読まないです。 見た瞬間に終了。
  さぁ想像してみましょう。
  1枚の紙にびっしり字が書かれている企画書と、絵や図でぱっと見てわかる
  企画書。どっちが読みたい?
  これは仕様書にも通じるところがあり、字びっしりの仕様書なんて
  プログラマさんとか見てくれません。 やはり絵があり、短い単語や
  短い文章で書かれたものなら、なんとなくぱっとみて理解してもらえる。

  就職用企画書では、そういう読み手の事を考えた紙面作りができるか
  というのも見られるかもしれません。
  結局、そこでの気配りが、仕事に影響し、ユーザーに対する製品にも
  影響してくると思いますので。

 ■ウリ、コンセプト
  現在あるゲームとどこが違うのか。 何が新しいのか。
  それはどう面白いのか。
  それをいかに面白そうに伝えるか。 同じものでも売り文句の作り方に
  よって印象はずいぶん変わってくるものです。
  この企画書のこのゲーム、一言であらわすと何?

 ■文書の長さ
  何かの本で「40文字以上の文章は読んでいて理解できない」というのを
  読んだことがあります。
  だらだらと長い文章で書くよりも、その文章をいくつかに分けて書いた方が
  理解されやすいし、なにより”読んでみよう”という気持ちになります。
  これと、これとこれはこれとにていてこれになって。みたいなのよりも、
  箇条書きやヤジルシを使って、ぱっぱっと読んだ、というか見てわかる方が
  理解できますよね。
  だらだらとした文章でなく、きちっと読ませる文章にして、物事が伝えられる
  能力があるかどうか、そういう所も見られています。

 ■ぱっと見て楽しそうか
  文字の大きさでも全部同じだと面白くないし、見出しの文字も、ただ大きい
  よりも派手なほうが楽しいし。
  絵がたくさんあって、どう読んでいけばいいかわかりやすい道筋があるほうが
  楽しそうですよね。

 ■出来たら他人に見てもらえ。
  私は企画書を他人に見てもらうことがすごく重要だと思っています。
  自分では絶対に気づかないところを教えてもらえるし、独りよがりな所や
  わかりにくい所を簡単に見つけてくれる。
  ゲームもひとりの力でできあがる物ではないし、他人にどう思われるかは
  重要なので、こういう場で経験しておくといいですよ。
  人に見せるのはすごく怖いし、緊張するし、恥ずかしいし。
  でも働き始めたら、そういう事づくめなので、今のうちに勉強できる
  所ですよ。

  見てもらわないとダメ!
  ぐらい重要なポイントだと思っていますので、是非どこかに提出する前に
  誰かに見てもらいましょう。


 まぁこんなもんでしょうか?
 おおまかーな感じで。
 最後にその企画書を何度も読み返して、伝えたい事が伝わっているかどうかを
 確認するといいと思います。
 少しでも気に入らないところがあったら直しまくりましょう。そこの最後のこだわりが
 企画としてのこだわりにも通じると思います。

 もちろん、へっぽこ三流プランナーの私の書くことなので、
 100%信じてはいけません。
 このへっぽこアドバイスから何かを感じ取って、へっぽこな私なんかすらりと
 踏み台にして抜き去っていくぐらいの勢いが欲しいです。
 私はあなたの先輩ではありません。ライバルです。
 私に負けていいんですか? 私は負けませんよ。


■メールで受けた質問

  就職用の企画書について志望者さんから質問をうけ、質問の内容を公開
 していいという事だったのでここに公開し、レスをつけさせて頂きます。

 >@企画書のゲーム画面の図に、手書きのような絵がNG?

  手書きでいいと思います。 ようは何をそれで伝えようとしているか、
  伝えようとしていることが伝わるなら、アナログだろうがデジタルだろうが
  関係無いです。
  どちらも得手不得手はあるだろうし、わかりやすく伝えようと頑張っているか
  そんな所を見られるかもしれません。


 >Aコントローラーは本物の写真を使ってはならない?

  わかりやすいなら写真を使ってもいいと思います。
  実際に問い合わせたことはありませんが、それが製品として大量に出回る
  わけではないので。
  企画書がわかりやすくなるのなら、使ったほうがいいんじゃないでしょうか。


 >Bベタベタなゲームをひねった作品のほうがウケがいいのでしょうか?

  ウケって誰に対してのウケやねん。
  だれも100万本売れるゲームの企画をもってこいと言っているわけじゃ
  なくて、あなたの心底つくりたいゲームの企画書って事だと思います。
  自分の本当に作りたいものを、熱意を込めて魂をこめて書いたもので
  ないと読み手には通じない。
  言い方を変えるなら「自分にウケがいい」ソフト。でいいと思います。


■プランナーとしての必要条件

 プランナーとしての必要条件は難しいですね。
 最低必要だと思われる要素をあげてみることにします。
 これは完全に私個人の考えなので、ご注意あれ。

 ■ゲームが大好き
  もちろんゲームが大好きでないとできない仕事だと思います。
  と、思いたい。
  映画が作りたいけど映画見ないし映画好きでもない人なんています?
  ゲーム業界には、ゲームを買ってプレーしない企画はたくさんいますけどね。
  だからダメなんだ。この業界は。


 ■コミュニケーション能力
  仕様書書いて、人にお願いして作ってもらう仕事なので、これは重要です。
  コミュニケーションがちゃんととれない人は仕事もあまり円滑に進まない
  気がするし。


 ■ゲームの他に趣味がある?
  これはよく言われているので書いておきます。
  ゲームだけだとゲームの枠を超えられないという事なのでしょうね。


 ■体力
  私に足りない能力・・・。私はすぐに眠たくなるのでダメですね。
  体力があったほうがいいですね。
  私はスーパープランナーと仕事をしたことがありますが、その方は食べないし
  寝なくても大丈夫な人でした。すごい!
  マスターアップ前になると睡眠時間を削ってでもクオリティアップにつとめたい
  ので体力がないとやってられないんでしょうね。
  そう、私には無いけど。


 ■あとはいろいろ
  妥協しない。根性がある。たたかれ強い。複数の仕事をいっぺんに
  こなすことができる。プログラムの知識が少しはある。とかとか、色々
  聞いたことがあります。
  私には、え〜っと。 ・・・。


 ■才能
  才能。
  私は才能というものを”死ぬほど好き”という感覚があるかないかだと
  思っています。
  潜在的な能力があったとしても才能がないと、その道では生きていけない
  でしょうし。
  私は能力は無いけど”死ぬほどこの仕事が好き”なので、なんかいろいろ
  あるけど諦めずにプランナーという仕事に執着しています。

  ”死ぬほど好き”だから研究もするし考えもするし、努力もする。
  毎日そのことについて考える。
  トップで活躍する格闘家やスポーツ選手、拳法の達人も”死ぬほど大好き”
  だからこそそこまで行けたんじゃないかと思います。



はぁ。再編するだけでも大変だった。こんなくそ長い文章誰が読むんだ?

  2006.02.12 カンフーモンキー